◆クスリに合わない人も多い◆

「兄貴に言われてやったらゲロ吐いて気絶した。
 なにがいいんだあんなもの」

 ―指定暴力団組長G

薬物は体質によって気持ちいい、楽しいと感じる人もいれば全く体質に合わない人もいます。暴力団の多くが一度は薬物に手を出しますが、「やってみたけど全然よくなかった」と常習者にならずにすんだ人は意外と多いです。

これはお酒が全く飲めないという人とよく似ていて、先天的な体質によるものです。暴力団組長Gは覚せい剤、コカイン、大麻すべて試しましたが、どれも体に合わず、見るだけで吐き気がよみがえって気分が悪くなるそうです。当時は、自分の兄貴分や弟分が「葉っぱを吸ったら本当に幸せな気持ちになるぜ」とか「シャブをキメて女とヤルのは最高ですよ」とかなんて話しているのを見てうらやましいと思ったそうです。暴力団組長は覚せい剤やコカインは何度かチャレンジしましたが、吐き気や頭痛がしただけで何も感じなかったそうです。

大麻をやったときは酩酊して部屋中で嘔吐してそのまま気絶したそうです。カチコミで相手に拳銃を突き付けられても、怖くなかったという組長ですが、本当に死を覚悟したのは後にも先にも大麻を吸ったときだけだと言います。

しかし、兄貴分や弟分はそのうちやせこけたり、目の焦点が合わなくなっていきました。組事務所にも来られなくなり、たまにきたらカネをくれと暴れたり、誰かに追われているとわめいたり、路上で奇声を発するようになり、破門や絶縁の処分となりました。その後、自殺したり、精神病院に入ったり、長期服役したりの悲しい人生を送っているそうです。

当の組長は現在は大きな指定暴力団でいわゆる直参と呼ばれる幹部になっていますが「俺は本当にクスリが合わない体に生まれてよかった。母ちゃんに感謝したい」としみじみ話しています。