夜の街と暴力団ヤクザ
風俗・キャバクラ・みかじめ料

「ヤクザ通さないで店開いたら
 頼んでもない寿司とピザが100人前届いて、
 1時間ごとに消防車とパトカーが来て
 あっという間に全員やめちまうだろうね」

-真夜中のお店オーナー

◆実際つながりはあるのか◆

女性が接待をしてくれる夜のお店はなんとなくヤクザとつながっているんじゃないかというのは皆さんの共通の認識かと思います。実際はどの程度のつながりがあるのか店のオーナーさんに聞いてみました。
「ヤクザと全く関係を持たないで夜のお店できますか」と聞いてみたところ、一笑に付されました。「そもそもこの業界に全くのカタギは入ってきません。関係があるというよりほとんどの店はヤクザかそのごく近い人たちが自ら経営してますよ。そもそも水商売の世界は不良が中心の特殊な世界です。そこに完全独立で入ろうということ自体がナンセンス。無駄な抵抗はやめて最初からシステムの中に飛びここんだ方が楽ですよ。そもそも一般人で始める人なんて見たことない」

◆ヤクザと付き合いのない店はあるか◆

しかし、そうはいっても暴対先進国日本。
資金があって女の子をそろえる技術もありスカウトいらず、トラブルも自分で解決できる!というオーナーさんもいるでしょう。そういう人が商売を始めたら?
「キャバクラやガールズバーのほとんどは独立型では無くどこかのグループ傘下に入っています。そうしたグループはヤクザと100%つながっていますというか、まあ周辺者がオーナーですね。歌舞伎町や大阪のミナミでは不動産会社やビルのオーナーも大手グループ傘下としか賃貸契約を結ばないところがほとんどです。別にヤクザに気を遣っているとかでなく独立型のキャバクラなんていつ夜逃げされるかも分からないし、トラブル処理もできないし店子として安心できないので契約しませんね」
とはいうものの例外も。
「ヤクザが絶滅した地方都市ではみかじめ料が無いところが多いと思います。地元の素人が本当になけなしのお金で小さなガールズバーやラウンジを出して、ヤクザが来たら交渉しようとか逆に大人しく払おうと待ち構えていても待てど暮らせどやってこなくて拍子抜けなんてこともあります。あとは地場の組織がもともとミカジメ料を取らない文化の場所もありますね。そももそも地方は直営店しかないからみかじめというか普通にモロヤクザやその家族がやってるっていうミもフタもない店が多いでしょう」

直接的な性的サービスをする店は
「それこそ本当にカタギが入れない世界ですよ。まずイマドキのそういう店は大手のサイトに登録しないといけないんですが、そこが独立系の会社を受け入れてくれないですね。たまーに本当に自社ホームページだけでやってる店がありますけど大体がでたらめにハードなSMとかハプニングバーとかもう店というより変態サークルなんで勝手にやってくださいという感じですね。まあ万が一ですが普通の店でヤクザに断り無くはじめたらそれはもうすさまじい嫌がらせにあうと思います。朝から晩までイタズラ予約電話で、指定されたホテルに行っても誰もいない。女の子はカラ出勤させるわけにいかないからお手当は出さなきゃいけない。事務所には頼んでもない寿司やピザの嫌がらせ出前が山盛り届くだろうね。ウソの110番通報で店や女の子の待機所に警察が毎日きて事情聴取されて、女の子は帰り道に暗闇から怒鳴られて泣かされたりね。仕事にならないよ」とのことでした。

◆内緒でやってた人たちの末路◆

ごくごく少数の女の子と携帯電話だけを使ってお店を営むグループがいるそうです。ほとんどはツイッターをホームページ代わりにしてナンパした女の子や未成年とかいう相当にアウトローな店?というか個人?です。かなりこじんまりとやっているので意外と見つからないようですが、なんかの拍子にバレてしまうと客から電話が来てマンションに入ったら提灯いっぱいの部屋に通されてボッコボコなんてこともあるそうです。ひどい場合は「迷惑料」名目で法外な借金を背負わされて同性愛のビデオに出されたり、実家に押しかけられたりもするそうです。無届け店なので警察にも泣きつけずされるがまま。こういう話が業界を駆け巡ると「内緒で独立店舗をやってみようかな」なんて色気を出した店のマネージャーやスカウトマンが震えがって「まじめに働こう」と考え直すそうです。

◆決死のキャンセルボタン◆

思い切って店を出してみてそういう申し入れが来たら「うちは〇〇組に面倒見てもらってます!」と決死のウソをつくという手段があるそうです。歌舞伎町など都心の繁華街ではシマがなく早い者勝ちなので、こうやって思い切りウソをつけば「じゃあ、うちは引くよ」となり、みかじめ料を払わないですむことがあるそうです。問題は〇〇組がそれを知った時です。「てめえうちの組をかたってるそうだな!?」と怒髪天のお兄さんがあらわれます。万事休すかと思いきやまたさらなる必殺技があって、全く知らない人の名前を出すのです。「〇〇組のXXXXXさんに面倒見てもらっています。聞いてみてください!」相手もフルネームを聞いて、「え?そうなの?」と一瞬ひるむそうです。しばらくすると「うちの組にそんなやついねーぞ!」とまた怒髪天Ver.2で戻ってきたら「え?じゃあうちが毎月納めていたのXXXXXさんはッ対誰だったんだ???」とニセヤクザに騙されてみかじめを支払っていた哀れな店長さんを装うのです。

こうなるとヤクザも「おめえもバカなヤローだな」と同情してくれるそうです。ここまできちゃうと、「じゃあ今月からちゃんとうちに払えよ」という話になってしまい、これを断るのはほぼ不可能なのであきらめるしかないそうですが、うまくいけばみかじめを乗り切れるわけです。