🏢企業舎弟=フロント企業🏢


警察庁のフロント企業まとめ

企業舎弟=フロント企業とは大雑把にいうと「ヤクザと関係のある企業」全般のことです。映画や小説ではやや大げさな経済活動をしているかのように描かれていますがほとんどはたいしたことはありません。

◆ヤクザの経済活動はなぜ悪なのか◆
昔はヤクザが山田組の山田土建、田中一家の田中不動産などと名乗り仕事をしていました。「正業」を主張するものの、契約や取引にヤクザの暴力を持ち込みます。具体的に言えば相場100円のものを1000円で買えと迫ったり、不要に事業の下請けに法外な値段で参入させるように迫ったりして、断ると事業を妨害するなどしました。地上げや会社整理、総会屋活動など表の経済活動への介入が甚だしくなった結果、暴力団の企業活動に対する法整備と取り締まりが強化されました。

ある昭和の親分は「ヤクザは博打とオンナとテキ屋で社会の隅っこで生きてりゃ良かったのに、調子に乗ってカタギの畑を荒らしたもんだからお上の怒りに触れてしまった。自分で自分の首を絞めたの結果が暴対法だな」としたり顔で語っていました。

現代ではヤクザそのものが事業を続けていくことは難しくなりました。そこで別の人間を社長や社員を表(フロント)に据えた会社で仕事をするようになりました。表向きは一般人が経営する会社でも業界に「あそこはオレの会社だぞ」と吹き込んでいるのでヤクザの怖さ=暴力を背景とした経済活動を続けています。

◆企業舎弟・フロント企業の定義◆
警察庁では企業舎弟・フロント企業を「暴力団関係企業」と命名し、「①暴力団員が実質的にその経営に関与している企業、②暴力団準構成員若しくは元暴力団員が経営する企業で暴力団に資金提供を行う等暴力団の維持若しくは運営に積極的に協力し若しくは関与するもの③又は業務の遂行等において積極的に暴力団を利用し、暴力団の維持若しくは運営に協力している企業」と定義しています。


分解してみると
①暴力団員が実質的にその経営に関与している企業
よくも官僚が考えた文章で「実質的に」という文言が入っています。つまり警察などの機関が調査や捜査の結果、「実質的にヤクザが経営している」と認定すれば企業舎弟認定されてしまうということです。会社の登記簿には一切暴力団員がでてきませんが実質的なオーナーがヤクザであると認定されれば企業舎弟=フロント企業と認定され暴力団対策法や暴力団排除条例の網をかけることができます。

②暴力団準構成員若しくは元暴力団員が経営する企業で暴力団に資金提供を行う等暴力団の維持若しくは運営に積極的に協力し若しくは関与するもの
要するにヤクザに上納金を支払ったりヤクザ組織のあれこれを下支えしている企業ということです。ここでは企業⇒ヤクザへ貢献という①と逆の方向になります。暴力団準構成員若しくは元暴力団員という文言が含まれているのはヤクザの盃事が変わったからです。正式な盃事をして暴力団と認定されると、様々な障害が発生し、警察からの監視も受けるので準構成員を増やしたからです。また、元暴力団員は同じ理由から実際は組員同様に密接にも変わらず、組から追い出す偽装破門が流行したため、そうしたほぼヤクザな人々を取り締まるためにこうした文言が加えられています。

③又は業務の遂行等において積極的に暴力団を利用し、暴力団の維持若しくは運営に協力している企業

これはとても広い意味で事件屋ブローカーと呼ばれる連中が入ります。会社の倒産整理や民事上のトラブルに介入する連中で、往々にしてヤクザを後ろ盾として不当な経済活動を進めていきます。ヤクザの若い衆を使ってマンションやビルなどを占有する不動産会社、工事の分配の際に自分の会社に仕事を卸さないとヤクザを使って嫌がらせをするぞと脅す建設会社、夜の街でほかの店舗との女性従業員の取り合いやトラブルででヤクザのチカラを借りる飲食業の会社など様々です。また、この文章ではヤクザの威勢を借りて仕事を進めている会社も指しています。仕事にヤクザを利用する、もっと具体的に言うとヤクザの威力を使って、ライバルを押さえつけて利益を広げようとする企業のことを指しています。これもまたあいまいな解釈なので幅広くしていくと半ばイヤイヤながらみかじめ料を支払っている夜のお店なども範疇になってきます。


◆衝撃のB関連企業リスト◆

ずいぶん前にある県警の暴力団関係業者リストをみたことがあります。これは彼らが個人的に作っている企業舎弟・フロント企業リストで、厳密に法規上のフロント企業に該当するかは微妙でしたが、こんなことでB関係企業の認定を受けて監視の対象になってしまうのかと驚きました。リストはこんな感じでした。

企業名    串カツT
所在地    @@市@@区@@ビル2階
対象組織   三代目B組
関係     親戚(幹部の内妻の妹が経営)

企業名    S建設
所在地    @@市@@区@番
対象組織   W一家
関係     社長が組長の中学後輩で継続的交友

企業名    D運送
所在地    @@市@@区@番
対象組織   八代目H会
関係     社長がH会を引退した元幹部

警察はこうした企業をくまなく調べて不自然な取引、マネーロンダリングやみかじめ料、上納金などの類に加え通帳や駐車場、住居の身代わり契約などがないかを徹底的に調べています。

◆取引先は大丈夫?◆
フロント企業は伝染していきます。危ない会社だと知らずに大口の取引をしていると、その会社も関係があるのではないかと調査・捜査の対象になっていったりします。本当にその会社の社長が逮捕されて警察からの参考人聴取を受けて初めてそんな恐ろしい企業だったのかと知る人も少なくありません。ヤクザと関係のある会社の人間はどんなに隠しても服装、言葉遣いなどを注意深く見ていればどことなく不良の香りがします。反社会的な雰囲気を感じたら、地元の警察や暴力団追放センターに相談してみた方がよいかもしれません。