ヤクザの指詰め(実務編)

「『切る』んやなくて『飛ばす』ねん。
 あれ?なくなってるやん?が理想やね。
 うまいこといったら全然痛いことあらへんよ」
 -3本断指した中堅幹部

◆断指の方法◆

切断する前にはビニール糸などで縛り上げて鬱血させたうえで氷水に浸します。痛みや出血を少なくした上でノミを関節にあてがい、木槌などで思い切り叩いて一気に指を「飛ばす」のが一般的だそうです。映画などで出刃包丁をあてがって切断するシーンがありますが、あれは「切っている」ので痛くてとてもじゃないけどできないとのこと。包丁の幅が大きいものの場合は切り口がノミに似ているので勢い叩けば痛くないそうです。この「飛ばす」方式で断指すると、たまに指が勢いよくロケットのように飛んでいくそうで畳や床を汚したくない場合は新聞紙などを使ってリバウンドさせます。組長の家の庭で指を詰めた知人は思いがけず指がはるか遠くに飛んでいってしまい、詰めたはいいがどこに行ったか分からなくなりみんなで庭中を探したそうです。

◆切断した指はどうするか◆



布などにくるんで先方に持って行くそうです。そして自分の切断した指を見せて「どうかこれでごお願いします」と謝罪(依願)します。先方に渡さなければいけないものでもないそうですが、本当に指を詰めたというのは見せなければならないようです。昔は受けとって保管する人もいて、昭和の時代はホルマリン漬けの指のコレクションを持っている有名な親分がいました。現在そんなものを持っていたら警察から傷害などで捜査を受けてしまいます。最近は、処理に困るし気持ち悪いので「持って帰れ」という人が大半だそうです。

◆断指の治療◆

年配の整形外科のお医者さんは指を詰めた組員に駆け込まれた経験を持つ人が少なくありません。暴力団対策法などの整備が不十分だった時代はごく普通に治療をして返していたそうです。ある九州のお医者さんによると、「2度も3度も小指から薬指から中指まで飛ばしてくるバカな組員はしかりつけてもやってくる。おまえみたいなバカの治療をしないから帰れと言ったものの、目の前で血だらけのそいつを見たら治療しないわけにはいかなかった」と話していました。現代はそんな組員が駆け込んできたらすぐに110番されてしまい、本人が自主的に詰めた場合でも「私的リンチ」だとして先方が傷害事件や脅迫、強要などの容疑で警察の捜査を受けてしまいます。よほどワルとズブズブの闇医者的な医師に診てもらうか自分たちで包帯を巻くなどして治療するそうです。