対価なきヤクザのみかじめ料
実は断ったらそれで終わり

新規に飲食店やサービス業のお店を出したり、工事を始めたときなどあらゆる事業を始めたときに、暴力団がみかじめ料を要求してくることがあります。理屈なんてありません。
特に年末は熊手や門松、干支の置物などの押し売りもあります。

「うちに挨拶がない」
「ほかは払っている」
「協力してくれよ」

世の中で金銭を要求するときはその対価となる商品やサービスを提示するものですが、法律でがんじがらめにされた現代のヤクザ・暴力団のみかじめ料に関してはそれに見合うサービスが何もありません。



本当に役に立たなくなった
昭和の時代は飲食店の壁に「@@組」なんてステッカーが貼ってあり、電話の横には組事務所の電話番号が書いたメモが貼り付けられていました。
酔っ払って暴れたり、きちんとお金を払わなかったり、女性にちょっかいを出す-困ったお客さんがきてしまった。そんな時はママさんが組事務所の電話を鳴らして「ねえ、ちょっときてよ」といえば2、3分で当番の若い組員が店に来て、たたき出してくれました(任侠精神で助けにきているわけではなくて、酔客を店の外に連れ出したら俺たちに足を使わせやがったなと迷惑料だの詫び料だのを追加請求するのでいい儲けのチャンスなので駆けつけるわけですが)。

日常のトラブルや商取引でもそうでした。店の女性が妊娠させられたのに認知してくれない、客の工務店の社長さんが工事代金を払ってもらえなくて困っている、店の壁紙を張り替えたいんだけど、安くしてくれるとこと知らないかしら-そんなときも電話一本で親分が相談に乗ってくれて、若い衆が怒鳴り込んだり、取引先を紹介してくれたものです。昔のヤクザは実際、いろいろと使い勝手がありました。また、羽振りがよかった時代は親分以下が飲みに来てくれればみかじめ料を払ってもお釣りがくるくらいの時代もあったそうです。
しかし、21世紀、平成も終わる今般にそんなことはできません。トラブルの解決に暴力団・ヤクザを呼ぼうものなら逆に先方から「このご時世によくもヤクザを呼んだな」と突っ込まれ、警察が来てヤクザと一緒に逮捕されるかもしれません。まともな商取引きもヤクザはほとんどかかわれませんし、景気よく飲んで気前よく金を払うどころか逆にツケにしてくれと頼んできます。
ヤクザにみかじめ料を払っても、なんの得にもなりません。

それでもやってくるが、断れば終わり
ビックリするかもしれませんが、天下の歌舞伎町だってみかじめ料は払わなくてもよいです。1度は必ず来ますが、断ればだいたい2度と来ません。
ヤクザも最初に来るときも実はダメ元で来ています。

「アニキ、ここの店はどうかなあ」
「怖がられないようにやるんだぞ」
「ちょっとここら辺には組合があるんですけどって?」
「そう。みんな払ってくれてますって。ハッタリなんだけどよ」そして開業前の店の扉を弱腰でノックするのです。

自分たちの身分、まして組織の名前などは出さずに「組合費を集めているんですけどね」とか「少し協力してもらえませんかねえ」などと下手にでてきます。水商売が長くてそういう文化に慣れている人や、逆に全くのシロートで「みんな払うんだ。じゃあしょうがないなあ」と言いくるめられれてしまう人、そこで毅然と「うちは払えない」といえば帰っていきます。2度来たとしても警察に相談すればそれで終わりです。まさか、数万円のために店を襲撃して組ごと潰されるなんていうことになったら割に合いません。

そもそもヤクザも「何もしてやれないのにカネだけよこせというのも格好の悪いもんだよなあ」と心の中では思いながら、みかじめ料を取って回っているので、断っても「そうですよね。ダメですよねえ」と帰って行きます。