暴力団ヤクザの抗争の実態
歌舞伎町拳銃発砲 メンツ

2019/1月歌舞伎町のど真ん中のカラオケ店で元暴力団員の男性が顔見知りの暴力団員に拳銃で撃たれました。男性は病院に運ばれましたが、亡くなりました。

最初、そもそも誰かわからなかったときにいろいろなうわさが飛び交いました。

「川崎の事件の報復ではないか」

「近くで年末にあった事務所発砲の続きでは」

「いや、クスリの利権だったらしいよ」

あまり業界に詳しくないマスコミの人たちは暴力団がこうした事件を起こすとすぐに組織同士の対立抗争ではないかと色めき立ちます。そしてさらにその背景には恐怖の10兆円産業の経済ヤクザの巨大な利権があるに違いない。

〇〇組と△△一家は同じ組織の参加ではあるけれど、上部団体の□□会の会長の跡目を誰が継ぐかでもめているらしい。上納金だけで何十億にもなるらしい。

ここのあたりで最近、新型の薬物を若い奴に売りつける集団がいて、それはやられた〇〇組が面倒を見ているらしい。やった△△連合はシマを荒らされたと怒っている。

〇〇会と□□会は高速道路の100億円単位の工事の利権を争っていて、それの利権を奪うためにやったらしいよ。

 

結局、歌舞伎町の事件は2人とも同じ団体の傘下組織で、原因は女性をめぐるトラブルだったようです。お互いの主張を色々と聞きましたが、どちらもよくわからないので細かい話は割愛します。

暴力団ヤクザ同士はこうしたケンカ、トラブルを思ったより多く起こしています。歌舞伎町に一週間いれば何度か乱闘やつかみ合いを目撃するでしょう。

映画やドラマの影響なのかやはりヤクザの抗争事件となればカネ、利権が絡んでいるのではないかと思いがちですが、ほとんどはそうではありません。

すれ違いざまに目があった。笑われた気がした

飲み屋で親分の悪口を言っているのを聞いたから

乗ろうとしていたタクシーに割り込んで乗られた

ヤクザにとってこうした事態は「メンツをつぶされた」という状態で、メンツをつぶされると組の負けになり、商売ができなくなる。つまり経済的な損失が発生するのでケンカになると止まらないという話があります。

しかし、実際問題彼らの精神世界や考え方に接していると暴走族やヤンキーのそれとほとんど変わらないような気がします。

ヤクザはおよそ我々一般人には考えられないようなどうでもいい理由で、思い切って人を傷つけ、また自分も傷つき、警察に逮捕されています。ヤクザという人種を理解するにはまず、非合理的な社会の住人であるということを理解することが重要です。

本当に中学校や高校にいた不良グループがそのままプロの不良として大人になった集団です。本人たちはそういう非合理だけど、殴り合うことがカッコいいという文化を持っていてそれに応じて街中でオイコラとハッスルしているのが実態です。

 

しかし、マスコミや小説家、映画監督などの人たちはヤクザを巨大な知的犯罪集団にしてしまいがちです。

スーツ姿で高級マンションに住み、アタッシェケースを持って株の取引にいそしむ。会社の買収に別の組織が参入してきたので、

「邪魔だ。消せ」

そんなヤクザは一切と言ってよいほど存在しません。

みんなスポーツウェアをきて短髪で、パチンコで5千円勝ったとか、アニキの新しい彼女がいい体してるとか、事務所の先輩が中古のベンツを買ったらしいとか、そんな貧しい会話をしている人たちの集まりです。

マスコミの人やエンター―テインメント作品を作る人たちは、間違ったヤクザ像を社会に植え付けています。それにより、ヤクザが知的な集団、恐ろしい集団というイメージすら植え付けています。

これはヤクザにとってうれしい勘違いです。単純明快、奇妙奇天烈な集団である自分たちのことを必要以上に恐怖の対象とみてくれるからです。

ヤクザを報道、描く人たちは、もっとちゃんとヤクザの実態を把握してほしいです。不要に彼らを恐れる文化を醸造するのは罪であるとすら言えます。