🍳無休で無給のブラック生活「部屋住み」🍳

「730日お世話をさせていただきました」

 -ある大親分の部屋住み

 

◆部屋済み=スーパーブラック生活
昔ながらの組織には組事務所や親分の家に住む「部屋住み」と呼ばれる住み込みの組員がいます。

最近は事務所に住み込むケースは減り、もっぱら親分の家に住むタイプの部屋住みが多くいようです。

暖かい布団と3度の食事はつきますが(最近は寝泊まりまでしない組員も多い)、炊事洗濯、運転、掃除などお手伝いさんのような生活をする組員です。ほとんどの場合、給与はなく、たまに手渡しの小遣いがあったりなかったり、お年玉があたありなかったりです。親分はじめ家族、幹部組員の生活を支え、守ります。そういうとかっこいいですが、要するに24時間タダ働きの究極のブラック生活です。

◆部屋済みは作法を盗んで元を取る

部屋済みはブラック生活ですが、親分や幹部を毎日身近に見ながら行儀・作法・そしてシノギのテクニックを学べるというメリットがあります。

ある大親分の部屋住みの組員は親分から大変に好かれ、2年間730日、1日も親分のそばを離れることがありませんでした。その間に特に報酬はありませんでしたが、訪ねてくる兄貴分やほかの団体の親分や商売人、弁護士、警察、様々な人と顔見知りになることができました。そこでは毎回「おう、今俺の部屋済みの〇〇だ。こいつはいい男なんだ」なんて紹介されるので、会う人たちも「この親分がそう言うのなら見込みがあるんだろうな」と一目置くようになります。また、親分や兄貴分の生の会話や交渉術をみて、人間関係のつくり方、勝負のかけ方、交渉術、シノギの進め方を学んだと言います。今は部屋住みを終えていますが、そのときの人脈や経験が生かされ、何十倍ものシノギになって返ってきているといいます。「その時のマイナスをじっと我慢できるかどうかがヤクザの分かれ目ですね」そういって歌舞伎町で肩で風を切って歩いています。

この組員は成功例ですが「部屋住み」は親分次第で天国にも地獄にもなりえ、多くの場合は厳しい「修行」の世界だったと聞きます。



◆部屋済み残酷物語

ある関西の組員は朝から晩まで兄貴や親分にこき使われて死にかけたと話しました。電話に1コールで出なかっただけでパンチを食らい、便所掃除が甘いとキックを食らう。

毎日明け方近くまで親分の飲み屋のハシゴに付き合わされてヘロヘロなのに朝6時に起きて掃除と朝食の準備をしなければなりません。そんな事情はお構いなしの姐さんに犬の散歩をやっておけと言われ、チワワを連れてフラフラ。帰ってくると兄貴分が「おい今から名古屋に車出せ」。朦朧としながら車の準備をしていると別のアニキが「てめえきょう昼飯担当までに帰って来いよ」などと無理難題をふっかけられ、「〇〇アニキの運転しないといけなくて」などと言い訳をすると「おれより〇〇のほうが偉いってのか!?」と鉄拳制裁を受けます。
金銭面でも大変で、たまにお金を手にしたらしいと聞きつけるや兄貴分に「おい、花札しようぜ」と絡まれスッテンテンにされます。結果、夜中のウチに荷物をまとめて姿を消す組員も多いですが親分は「辛抱のないやつだったな」などとため息をつきます。

たいていのヤクザは長かれ短かれ部屋住みを経験しているので「部屋住み時代はどうでした?」と聞くと目をキラキラさせて楽しい思い出話をする人と、どんより暗い表情になる人がいるのは業界のあるあるのひとつだからでしょう。