🐤若手ヤクザ「飛び」まくり問題🐤

◆飛ぶ、トンだ◆
簡単に言うと「行方をくらませる」ことです。一般的には借金をしていた債務者が夜逃げしたときに使われる言葉ですが、逃亡すること全般に使われています。

例①債務者逃亡
「野球賭博で負けが込んでたA工務店の社長が電話に出ない。会社も家も人がいないんで、トンじまったんだな」
本来の使われ方です。

例②積極的逃亡
「A組の若い衆、警視庁からフダ(逮捕状)がでたらしいけど、もうトンでるらしい」
警察やほかの組織からの追撃を逃れるために逃げる場合です。「ガラ(身柄)をかわす」とか「タイ(体)をかわす」などともいわれやや前向き?な逃げとでもいうのでしょうか。

◆ヤクザの音信不通は一大事◆

ヤクザはある日突然連絡がつかなくなり、行方不明になることがよくあります。仲間がまず最初に疑うのは警察に逮捕されたのではないかということです。家族や知人に連絡したり、知り合いの刑事に探りを入れたり、弁護士に調べてもらったり、いろいろと手を尽くします。別に若い衆が心配だからではありません。1人捕まれば警察が大挙して事務所に捜索に来たり、共犯としてほかの若い衆や兄貴分、最悪は親分まで逮捕しに来ます。もう一つは敵対組織などとのトラブルで拉致監禁されたり、殺害されたりしていないかということです。抗争中に連絡が取れなくなった場合などは緊急体制をひいて行方を捜します。ヤクザの組織には朝・昼・晩と定時連絡をする仕組みを導入している組織もあります。



◆若い衆「飛び」まくり問題◆

しかし、最も多い「飛ぶ」ケースは単純に組が嫌で逃げることだそうです。朝から晩まで兄貴分に怒鳴られ殴られる部屋住みで、組長からこづかいもでない。そんなブラック企業体質がいやである日電話に出なくなり、そのままどこへいったのかわからないという組員が毎日のようにいるそうです。

消極的に飛ぶ組員
ブラック生活が嫌で逃亡する組員です。兄貴にLINEの一つでもしていなくなる者もいれば本当に昨日まで一緒に晩飯を食べたのに、翌朝から突然音信不通という若い衆もいるそうです。情も可愛がりもあるので「厳しくしすぎたのかなあ」なんて悩む優しい兄貴や親分もいます。ある団体では事務所当番にバイト代1万円を出す制度を導入していますが、それでも出勤しなくなるケースが多いそうです。
「一番多いのは、遅刻とか当番忘れで怒られるのが怖くてそのまま事務所に来なくなって電話に出なくなるパターン。昔は灰皿でぶん殴ったけど、最近はLINEで『怒ってねえから事務所に来なよ』なんて呼んで飯まで食わせます(笑)やっぱりヤクザはなんかあったときは数ですから。日ごろなんもしてないようなやつでもなんかあったら役に立つもんです」

積極的に飛ぶ組員
すごい度胸だと思いますが、組を裏切って逃げる組員も少なからずいるそうです。こうした「トンだ」伝説は結構ヤクザの飲み会では盛り上がるネタだそうで
「朝来たら当番の組員がいなくて金庫が空っぽ」
「ミカジメ集金のカネ持ったまま行方不明」
「組長のベンツ売り飛ばしたやつがいた」

若い衆の「トンだ」武勇伝が酒の肴になるそうですが、大体は覚せい剤やバクチでカネに詰まった組員だそうです。こういう組員は「不手際の段多々あり」などと書かれて破門状が回されます。

捕まったら、、、と考えると怖いですね。
一度トンだら逃げ切ってほしいものです。