「殺した現場は若い衆部屋なんですよ。
加減のわからないバカが、
ちょっと舎弟をシメすぎたみたいで」
―新宿 組員
殺されるのも修行のうちなマッドハウス
新大久保の若手組員が共同生活するマンションの1室、で先輩と後輩のもめ事で先輩が後輩を暴行し、死亡させました。知り合いの組員に電話をすると「若い衆部屋で教育してたら度が過ぎただけです」とケロリとしていました。
若い衆部屋」はヤクザの「社宅」
若い組員の中にはほとんど文無しで組に拾われ、家賃はおろか食費など一般的な生活のままならない者が多くいます。そういう組員は「若衆部屋」(わかいしゅうべや)という組が借り上げた部屋に住まされます。
「若い衆部屋」は事務所や繁華街のそばにあることも多く、だいたいヤクザが多いうらぶれたマンションの一室です。歌舞伎町の有名な「ヤクザマンション」は若い衆部屋がひしめき合っています。
部屋済みに似ている
1部屋に布団が何個か敷いてあり、若手が何人かで共同生活をしています。
基本的には兄貴分が偉そうにしていて後輩は便所掃除や雑用などをするシステムで、「部屋済み」にやや似ていますが、部屋住みのようにモロ仕事をすることはありません。
しかし、寝ている間も常在戦場であり、ほかの組織との喧嘩でぶつかったり、事務所でトラブルなどの際には24時間呼び出されます。
若い衆部屋にいると、先輩たちからいろいろと学べたり、食事や夜の店に連れて行ってもらえるメリットがあります。若い衆部屋でアニキや同期と仲良くなって、シノギやアソビを覚えていきます。なかなか一人で生活していると、行儀作法もわからないままだし、仕事も回ってきませんがヤクザで共同生活をしていればいろいろと成長できるようです。
当然、不良の集まりなのでちょっとしたことでアニキから「気合い」を入れると言ってリンチされたり、、酔っ払ったり覚せい剤をやって騒ぐ介抱をしたり、起きたら見知らぬ裸のオンナ(オトコのこともあるそうですが)がいたりと、毎日なにかといろいろある刺激的な部屋です。
今回の事件もその中の一環で「ちょっとコトが大きくなっただけの話ですね」なんて笑って話す組員を見ていると、やはりヤクザはなんとも過激な世界に生きているんだなと思います。
実際、最近は条例の強化とヤクザの困窮化を背景に、そもそも一人で部屋を借りて暮らすことすらできないというのが実態のようですが。