義理事はヤマでやる 葬式 襲名 杯事 葬儀場もホテルも使えなくなったヤクザたち


住共済会館(住吉会)

冷え冷え弁当
暴力団に対する法律と条例が充実した現在、盃事や組葬・法事などヤクザの義理事を受け入れてくれる施設はありません。こうした義理事を引き受ければ会場を貸したホテルや料理店、葬儀場も暴力団排除条例で警察から厳しく責任を追及されます。

このため、盃事や新年会、葬儀や法事の精進落としもどこかの料理屋でやったりすることはできず、仕出し屋の弁当を買ってわざわざ自分たちの組事務所に持ち込んでツネツネと食べています。
最近のヤクザの祝い事の写真や動画が実話雑誌やYouTubeに掲載されていますが、酒は上等なのに、料理は出前ばかりでとにかく食事がまずそうなのがまず目に留まります。

 

義理事は「ヤマ」で

ヤクザは義理事を自分たちの施設・私有地でやるしかありません。
小さな盃事や葬式・法事なら組の本部の畳部屋でやったりもしますが、親分の葬儀だ杯事だと何百人も来客があるような義理事はできません。

ヤクザは車移動なので駐車場がない都心ではお迎えお見送りもままなりません。そこで、それぞれの組は特別な施設を持つようになりました。
施設は「〇〇会館」などと呼ばれてだいたい郊外(というより田舎)に設けられています。

ある団体は施設が本当に山奥にあるのでそのまま「ヤマ」と呼んでいます。ヤマは組の私有地なので、その中である限り、盃事や葬儀も自由に行うことができます。都心の組事務所や自宅を出て高速に乗り、みんなでヤマに集まります。

しかし、そこでは調理をすることができないので、仕出し弁当を買いこんだり、寿司を買ったりしています。最近は出前ですら利益供与に該当するということで組員が遠くの弁当屋で「ちょっと会社の会合があって、来週弁当100人分、、、」などとコソコソ大量注文しています。



義理事は反社会的活動そのもの

なぜここまでヤクザに厳しくするのか。
襲名披露だ周年祝いならともかく、葬式や法事くらいは人道的にもやらせてやってもいじゃないかとの意見もあると思いますが、国の見方は違います。

そもそもヤクザは自分たちがいかに多くの人間が組織だって活動しているかを誇示することで成り立っています。ヤクザにとってこうした義理事は自分たちのチカラを誇示する格好の場でヤクザの根源的な活動の一環なのです。そこで最も誇示できるのが葬儀や法事などになってきます。

ある有名な大組長の姐さんが「ヤクザの貫目は葬式のデカさで決まる」と言っていました。

組員が減った組織では地元の後輩たちにアルバイト料を払って立たせて、組織の力を誇示しようとしたりします。

国の指導による施設の利用禁止政策は、このような実態を背景とします。

考えてみるとまともに葬式ができないというのは、最期の最後で世の中から人生そのものを否定されるようなことではないかと思います。
故人にとっても遺族その他の周りにしても、とても悲しいことです。

ヤクザという生き方の顛末が、ここにあります。