🚺ヤクザのシノギ~オンナで喰う~🚺

「こっちは好きで『尽くし』てるねん」

-関西の大親分の姐さん

◆ヤクザは根っからの主夫◆
ヤクザの奥さんは水商売の人が多いです。姐さんたちは「修行中」の若い夫を夜の町でカラダを張って支えます。そのうち夫が組を持ち、幹部になり、シノギが軌道に乗って生活が潤い、ある日繁華街の一等地のビルの鍵を渡されて「これまで苦労をかけたな。きょうからおまえの店だ」なんて抱きしめてくれる日が来ます・・・

と、いうのは理想のモデルケースで、私が見てきた限り100人に1人くらいです。ほとんどのヤクザは常にカネがなく、あればあったで使っちゃい、何かあればすぐに刑務所に行っちゃって生活費も子どもの学費も奥さんに丸投げの人の集まりです。奥さんは水商売を続けますが、年齢とともに、高級店→中級店→大衆店→スナックと収入が右肩下がりになり、刑務所に面会に通いながら、子供の学費をパートで捻出する人生が続きます(ごくまれに水商売の神様がついていて、銀座や北新地で一代記を作る姐さんはいますが)。

「主夫の先駆けはヤクザだな」と言った親分がいましたが、まさにそのとおりで基本的にはブラブラしては塀の中に落ちる自由人の夫を支える一生で、かなりの割合の人が妻の稼ぎをアテにしています。こんな破天荒で無責任な人たちばかりなので並の精神力ではヤクザの妻はつとまらず、離婚する家庭が大半です。奥さんに少しでも合理的な判断をする能力が残っていればヤクザの夫とは別れようと思います。

◆尽くすということ◆

しかし、それでも夫を支える姐さんたちがたくさんいます。
関西の大親分の姐さんは無期懲役になった夫に面会に行ったら、「俺のことなんか忘れて離婚しろ」と言われましたが、ガンとして離婚せず愛を貫いています。女手1つで子どもを育てるのは並の苦労ではありませんでした。とてもキレイな人で育ちもよく、どうしてこんな困難な人生を歩まなければならないのかと見ていて痛々しく感じます。しかし、夫が刑務所で写経をするという時間にあわせて家で写経をして「お父さんと一緒になれる時間」などと言って般若心経のびっしりと書かれた習字紙を抱きしめているのをみると、これはこの人にとっての幸せの形なんだなと思います。

普通の人からみれば、ヤクザの奥さんたちは「たかられている」とか「せびられている」というような状況で、不幸な人生に見えますが、彼女たちは「尽くし」ていると主張し、きょうも極妻道を極めるのです。