https://www.youtube.com/watch?v=LSP7MBZCd_I
映画『アウトレイジ ビヨンド』予告編
「戦争にでもなったらだれが責任とんじゃ
ボケェ!」
お言葉通り、ヤクザはボケてる人が多いです。いくつかタイプがあるのでご紹介したいと思います。
◆シャブボケ◆
私の体感ですが、ヤクザの8割は覚せい剤を使用したことがあるような気がします。そしてその半分ぐらいが常習、もしくは定期的に使用している気がします。常習者はやっているときもやっていないときも話していてすぐにわかります。話がめちゃくちゃだからです。まさにただいま影響下の時は「トンでいる」、長年の覚せい剤の影響や禁断症状でグッタリしてブツブツしゃべっているときは「ヨレている」と言います。いずれにしろ「ボケ」ていて組の仕事も商談も何もかもままなりません。
◆ムショボケ◆
刑務所から出所してきた兄貴を久しぶりに迎えに行ったら会話が空中戦だったり、世間ズレしていたりなどということがあります。これは「ムショボケ」と呼ばれています。
ムショボケには2タイプあります。
拘禁反応型(医学的なボケ)
いくら工場作業や運動があって、同じ房の仲間とおしゃべりをしたり、本やテレビを見られても、恐ろしく単調な生活のため、だんだん精神に異常をきたしてくるそうです。これは拘禁反応などの医学的な問題として説明されます。また、高齢の受刑者の場合は認知症を併発することも多いそうです。
世間ズレ型(社会的なボケ)
10年も20年も社会から隔絶され、突然、シャバに出されると世間の速度についていけないものです。ヤクザを取り巻く環境の変化に気づかず、偉そうにしたり、金銭感覚がバブル状態だったり。よく聞くのが詐欺的な話に出資して出所祝金(報奨金)を失うという話です。昔なら絶対引っかからなかったような儲け話に乗ってしまう。社会的サバイバル能力が低下しているのでしょう。
◆ケガボケ◆
漫画の「闇金ウシジマくん」に頭をしこたま殴られてから様子がおかしくなってしまうヤクザの親分が出てきますが、この手の人は業界では少なくありません。ヤクザは暴力や拷問を受けることが多いです。「バットで頭を殴られた」「敵対組織に車でひかれた」「水責めにあった」「首を絞められた」いろいろと物理的な暴力を受けて脳に障害が残ってしまう人が多いです。ボクシングのパンチドランカーに似ています。いつもフラフラしたり、ボーッとしたり。ある関西の団体の若い衆は喧嘩で頭を思い切り殴られてから直立していることができず、葬儀場とか定例会でみんなが並んで親分衆に挨拶をしている中、フラフラと親分たちの通り道に歩いて行ってしまいます。組員は途中からそういう義理事には出されなくなりました。若いのに悲しいことです。
◆認知症◆
「親父がオレは昼飯食ってねえ!って暴れてる」
「総長が盃事の最中におしっこ漏らしちゃった」
「姐さんに『てめえ誰だ!?』て絡んでるよ!」
こんな悲鳴をよく聞きます。
ある3次団体の親分はほとんど義理事などにくることがありません。若頭が代参し、「すいません。親父はちょっと調子が悪くて」なんて言いますが、実はおむつをはいてよだれを垂らして、日に何度も泣いています。悲しいかな、ヤクザの高齢化が進む中、一番多いのはこの本当のボケだそうです。えらい親分は総裁や最高顧問などとして「ご本尊」みたいな扱いを受けて実際のところは自宅から一歩も出ずに暮らしていて、亡くなると盛大な組葬で送り出されます。その人の威光が強すぎたりしてなかなか引退させてもらえなかったりするそうです。ヤクザに認知症が多いというより認知症になる年になってもヤクザをやっているということが問題のような気がします。