👦ヤクザは本当は「いい人」?👦


https://www.tora-san.jp
「うちらのことをなめとんか!
マネージャー呼べや!おうコラ!」
-一流ホテルに泊まったヤクザ

◆寅さん的なイメージ?◆
ヤクザには2タイプのステレオタイプがあります。1つはシンプルに極悪非道で凶暴な人間。しかし、逆説的なステレオタイプなヤクザのイメージとして「涙もろい」とか「女子供や動物には優しい」みたいな、総じて「実は心根がいい人」というか江戸っ子気質・浪花節みたいなイメージを、映画の寅さんのような人のイメージを持っている人は少なくないと思います。バカでヤンチャで短気だけれど、かわいそうな人を見ると放っておけなくて一肌脱がずにいられない。喧嘩になったら仲間のため戦うけれど、普段は優しく子分や舎弟を大切にする親分・兄貴肌の男。そんなヤクザのイメージが映画やドラマを通じて広がり、ヤクザ自身もそれを意識するものだから実際、そんな感じのヤクザは多いと思います(本当に一肌脱いでくれるかは別にして)。

◆その実態は「身内には優しい」だけ◆

ある時、知り合いのヤクザ連中とホテルの部屋で会いました。長い懲役から出てきた兄貴分に子供ができたばかりでみんなで出所を喜びながらかわるがわる赤ちゃんを抱きあげていました。姐さんもうれしそうで、おじいちゃんの組長も孫をあやしてニコニコしていました。そこには紛れもなく、一家一門のきずながあり、家族のような本当の信頼、思いやり会う気持ちがありました。

しかし、兄貴分はおもむろに受話器を取り、ホテルのフロントに電話をしました。「おい!ベッドの下にゴミが落ちてるで!ちょっと見に来んかい!」。ホテルの従業員が部屋に来るとそこからは罵詈雑言の応酬です。「従業員教育はどないなってるんや!マネージャーを呼ばんかい!」「支配人はどこや!」と怒鳴り散らし、マネージャーからの「うちの従業員の不手際で申し訳ございません」の一言を得るや「じゃあ部屋代タダやろな!?」
その恫喝の間も同じ部屋では若い衆たちがお笑い番組を見ながら談笑し、組長は普通に赤ちゃんにベロベロバーをしてあやし続け、姐さんはそれを聖母のような笑顔で見つめています。「おうコラ!なめてんのか!」と恫喝の声が響いてもまるで何もなきごとしでみんなニコニコしています。

要するに優しくする、思いやるのは自分の親しい身内だけで、身内以外には傍若無人・極悪非道で平気なわけです。

暴走族や田舎の不良と同じです。仲間でカラオケにいけば、長渕剛を熱唱して「一生の仲間だぜ!」なんて肩を組みますが、店を出たら煽り運転をして車の窓から平気でゴミを捨てる・・・そういう人たちをいい人とは呼ばないでしょう。