ヤクザが街中で力を持っていればこんなパニックにはならなかったかもしれません。逮捕者まで出るとはなんとも悲しい。
新型のナイトエコノミー
覇気が無いと言われて久しい若者ですが、一体キミたちは日ごろどこに隠れているんだと聞きたくなるような元気いっぱいの若者があふれていました。彼はドン・キホーテで衣装を買い、タクシーに乗り、飲み屋で騒ぎ、コンビニで買い物をします。毎年のハロウィンの経済効果はおおよそ1100億円前後を推移しているという試算もあります。これは一般的にポジティブな現象であり、続ければいいような気もします。
量産型〇〇
語源はガンダムの量産型ロボットのようです。
大量生産の家電や自動車のように突出した個性は無く、それなりに機能的で安価でなんとなく売れていく存在。
雑誌そのままのコーディネートの服と髪型で学食に集まると個体識別ができない・・・みたいな大学生を「量産型大学生」と呼び始めました。
無個性で迎合的、周囲に引きずられ、浅く広い人間関係が広がり「あ、ユウジのサークルの後輩」とか「ミキちゃんのゼミ仲間」みたいなふんわりした人間関係のレッドオーシャンがTwitterやLINEで広がり続ける。
「量産型サラリーマン」や「量産型就活生」などと派生したようです。
ハロウィンは量産型のお祭り
量産型は無個性と揶揄される一方、友達が多く社交的で「リア充」「陽キャ※」な趣もあります。ハッシュタグ的には#話題のパンケーキ屋さんで女子会 #会社の同期とバーベキュー #ディズニーランドでインスタ映え みたいな感じでしょうか。
※陽気なキャラという若者言葉、逆は陰気なキャラで「陰キャ」。
渋谷のハロウィンはまさに量産型による量産型のためのお祭りに見えます。ウォーリーやバニーガールのおそろい集団や、コスチュームはバラバラながら仲間とダンゴ状態で移動する集団。今夜は自分がイチバン目立ってやるというバイタリティのある若者はごく一部で同じコスチュームに埋没してしまう「コスかぶり」も気にせず「イチ参加者」的な立ち位置の人が多い印象です。ドンキ・ホー手は量産型コスチュームを大量販売し、量産型が大量購入しています。コスかぶり率は異常ですが、別に突出して目立とうとしていない量産型文化の中では特に問題は無いのかもしれません。
仮装の中での仮装は日常より没個性
仮装は個性の表現でしょうか?何でもない日に渋谷のド真ん中を仮装して歩けば「個性的」ですが、周囲が仮装をしている時に一緒に仮装をするのは日常よりもさらに「没個性的」な状態かもしれません。まして仮装で素顔も分からない状態で仮装の人混みに紛れればではさらに個が分からなくなり、究極の没個性感に陶酔するそうで、こうした「自分は何者でも無い」という気持ちから普段はしない迷惑行為をしてしまう人が増えるのかもしれません。
量産型を阿波踊りから考える
徳島県の阿波踊りの歌があります。
踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々♪
「楽しく踊るアホと静観するアホがいる。同じアホならば踊るアホの方が楽しくていいじゃないか(人間なんてみんなアホだが、何か行動を起こす方が何もしないでいるよりはいいではないか)」というメッセージです。
量産型は仲間に釣られて渋谷に突撃し、トラブルに巻き込まれたり、泥酔したり、サイフやケータイを無くしたりして「阿呆」でしょうが、見知らぬ人と出会い、普段見られない町の景色を見ています。何はともあれ経験・体験を積んでいるのは間違い無いです。そう考えるとじっとしているよりは視野や可能性が広がると思います。
量産型は案外、やや停滞している日本でエネルギーに満ちた集団なのかも……。いや、どーでしょうね。
みなさんはどう思われますか。