ドラッグビジネスが禁止される理由
異常な利益率 社会秩序が破綻する

「Tough Work Vital Mission
 大変な仕事,致命的な使命」
  -DEA アメリカ麻薬取締局

バカみたいに直訳すれば上のようになります。

Vital=バイタルには生命にとって欠かすことができない、逆に言えばそこを損なうと死んでしまう=致命的なものという意味があります。転じて日本語では肝心・要という意味も持ちます。類語もEssential (本質的)Crucial(致命的)です。

アメリカでは薬物の過剰摂取で死亡する人や、健康を害して働けなくなる人が数多くいるほか、中毒者による犯罪、密売をするマフィアやギャング、メキシコからの麻薬カルテルの抗争などが起きています。ドラッグは社会的な基盤を揺るがすものとして根絶しなければならないという目標があります。

「Vital Mission=生死に係わる使命

文字通りアメリカ合衆国政府は国家の生死をかけて麻薬撲滅に取り組んでいます。ドナルド=トランプ大統領もメキシコの犯罪組織との対立を明確にし、軍隊やFBI,DEA,CIAを総動員して彼らと対決しています。

そこまでやる必要があるか


残虐なことで知られるメキシコの麻薬カルテル。
対立組織にとどまらず、警察、検事、判事、弁護士、ジャーナリスト、政治家……組織の敵とみなした人たちは全員おかまいなしに生きたまま身体をバラバラに切り刻み、路上に放置します。

メキシコの警察や軍隊はアメリカ政府と協力して彼らの撲滅のために頑張っていますが、おびただしい犠牲者を出しています。

メキシコのドラッグカルテルが中心に密売しているのはコカインです。コカインは覚せい剤などに比べると依存性が低く、純度が高いものはお金持ちの会社員や、一流大学の坊ちゃん嬢ちゃん学生のたしなむものです。ほとんどは死にませんし、ちょっとハイになって終わりというのが実情です。

What would be the harm if two people get high?  We're getting high anyway,Don't you see this means nothing?  Your whole life is pointless

「クスリでハイになるやつの何が害なのか。
 どうせハイになるのに無駄だと思わないか。
 お前の人生(仕事)はすべて無意味だ」

―映画「トラフィック」より

メキシコの麻薬戦争に巻き込まれたDEAの捜査官。捜査の途中で大切なパートナー(相棒)であり親友の捜査官を失うことになります。そんな捜査官に麻薬カルテルの幹部が言い放った言葉です。

麻薬カルテルからすれば、自分たちを摘発したところでまたどこかで別の連中がドラッグを売る、それを買った連中がハイになる。なんの問題もないじゃないか。そんなことに命をかけているなんて馬鹿げいている。こんなことをしてなければお前の相棒だって死ぬことはなかったー

確かに自己使用する常用者が減らない限り、どこかでドラッグは売られ続けます。一つの組織をつぶしてもまた別の組織が密売をします。ともすればあるカルテルの摘発は反対側のカルテルを手助けしているというのが実態かもしれません。

ドラッグビジネスの阻止がVitalな理由

ドラッグがらみの犯罪が増え社会秩序が乱されます。

でも、もう一つの理由としてこのルールを守ってみんなが誠実に生きている世の中の秩序を維持しなければならないということがあるのではないかと思います。

ヤクザ、マフィア、北朝鮮…
世の「悪」がなぜこぞってドラッグに命を懸けるのか。

「こんなデタラメに儲かる商売は他にない」からです。

100円の原価の商品が

1000円で問屋に売られ

10000円で小売店に売られ

100000円で客たちに売られる

しかもすべて非課税で需要はなくならない。

こんな仕事を悪人たちがしないわけがないのです。

It's an unbeatable market force man. It's a three-hundred percent markup value. You can go out on the street and make five-hundred dollars in two hours, come back and do whatever you want to do with the rest of your day and, I'm sorry, you're telling me that... you're telling me that white people would still be going to law school?

「ドラッグ市場は300%の利益率で、負かすことができないマーケットなんだ。1日2時間ドラッグを売って500ドル(約6万円、月収にして150万円近く)を稼げる。あとは好きなことをしてればいい。こんな仕事ができたら白人だって誰もロースクールに行かなくなるよ」

―映画「トラフィック」より

成熟した国が、ドラッグの密売を取り締まる最大の理由は乱用者の増加や治安の悪化を食い止めるためです。

しかし、同じくらい大切な理由としてこんなデタラメな、人の健康や命の崩壊を顧みない商品を売って短時間で莫大なお金を稼ぐビジネスモデルが成り立つ国はまともな国民が育たなくなるということです。

ドラッグビジネスは、社会の仕組みを根底からひっくりかえす商売です。

勤勉、努力、誠実、そういった私たちが大切にすべきものすべてをないがしろにするドラッグビジネスは国家にとって命を懸けて止めるべき存在なのです。日本がそうした国でなくて本当に良かったと思います。今後もその通りであるよう切に願います。