暴力団ヤクザのシノギ資金源 賭博
ミカジメ裏カジノが儲かる仕組み

「2重3重でミカジメを取っちまえばいいんですよ。
 他とのトラブルなんか知らねえよ」
―関東の暴力団

 

消える“博徒”たち

暴力団ヤクザには博徒と呼ばれる組織があります。江戸時代から昭和の時代までは花札やサイコロを使った伝統的な賭場が中心でした。刺青にサラシの組員がツボや花札を使って行っていました。
現在は大阪・西成などの一部で常設されているか、暴力団ヤクザ同士がその日限りで場を設けることが主流です。
現在、賭博場のほとんどはトランプを使ったカジノ店か高レートの闇スロットです。

以前はモロ組員が店の黒服をしていて客の扱いや金の管理などを行っていましたが、摘発されると組ごと捜査を受けてしまうので最近は店の経営者や店長、店員はカタギに任せています。大型店舗は限りなく直営に近いですが、小型の店舗はどちらかというと本当にカタギが主体的に運営していてヤクザは「出店料」をかすめ取っています。



昔のように賭博場=ヤクザの直営であれば上のような話は「賭場荒らし」と呼ばれ組織のメンツをかけて撃退したものですが、現代では「知らんがな」で終わってしまうことも多いです。

カジノ屋

カジノは最初の設備投資が大変なのでまったくの素人が始めることはできません。
カジノ店を出しても目をつぶってくれる不動産業者やビルオーナーの人脈、カジノ台やスロット台など設備の準備、イカサマ防止の防犯カメラの設置、ディーラー、店長、店員の確保などが幅広く必要です。
結果、カジノ屋と呼ばれる人種がこうしたもろもろを行うことになります。カジノ屋は表だって店のオーナーや店長を兼ねたりすることも多く、警察が踏み込んできたときの「逮捕要員」だったりもします。

 

暴力団ヤクザは

こうした店を出す際に、地元の暴力団ヤクザには挨拶をして売り上げのいくらかをみかじめ料として支払わなければなりません。そもそも店の立ち上げから暴力団が関わっていることがほとんどなので事実上直営がほとんどなのですが、表向きは分断されています。
暴力団は「うちが面倒見ている店」「モリ(守り)をしている店」などという表現を使います。何かあったときに組直営と指摘されないように、複雑な関係性を標榜しています。

 

たかられまくるカジノ屋

カジノ屋は2重にみかじめ料を迫られることがあります。すなわち自分の店を管理、出資し、「ケツ持ち」しているヤクザと店を構えた場所を縄張り=シマとする組織に払うということです。関東のように明確にシマがあり、最初から「〇〇一家の店」という風に決まっていれば正式に2重払いを行います。
関西のようにシマが決まっておらず群雄割拠だと急に知らない組織が営業中に乗り込んできて「誰に断って商売してるンや」となります。普通は「面倒を見ている」組織が出てきて、「うちの店じゃい」とケンカを買ってくれるのですが相手が強いとみるや「うちは知らねえよ。自分で解決しな」と逃げてしまうことも。
関西にはいくつか「カジノ荒し」でかなりの資金を集めている組織があります。
カジノ屋もやっていることが違法なだけに店で暴れられたり、居座られたりしても警察に助けを求めることもできないのでただひたすらに搾り取られているところもあるようです。