10代から20代前半ごろまでの間に「非行」を行う少年・少女たちはいます。
親兄弟など家族や地元の学校からそういう文化を受け継ぐことが多く、暴走族やヤンキー的な文化です。
米国の心理学者スタンレー・ホールは青年期についてその著書の中で「青年期は不安と動揺が特徴的であり、疾風怒濤の時代である」と記しています。
勉強、友人、恋人などが嵐のように押し寄せる時期で、いろいろ不安定な時期であるとしたうえで、それを乗り越え社会人になっていくということです。
不良やヤンキーも大抵は10代後半から20代前半くらいまでには落ち着いて、仕事についたり家庭を持ったりします。
しかし、少年不良集団の中には時折、一切の更生がないまま生涯犯罪者=不良として生きていく子たちがいます。
知り合いの警察官が「非行少年たちを取り締まるのは反省と更生を促すのが目的で、ことさらに少年院や少年刑務所に送って社会から隔離したり、罰を与えるのは本意ではない」としたうえで、「一部に全く更生の余地がない少年たちがいる。彼らは長いスパンで監視を続け厳しく取り締まりを続けて社会から隔離しなければならない」と厳しいことを言っていました。
実際、そういった少年たちはかなり異質です。
たとえば仲間や友人を平気で裏切るとか、ケンカの末に相手が死亡したり、深刻な大けがを負ったとしても憐憫を見せないとか慢性的にウソをつくとかいう内面的な特徴や、中学生くらいで覚せい剤に手を出しているとか和彫りの刺青が入っているとかいうちょっと段違いな少年たちです。
不良の中でもヤクザになるというのは相当に特殊です。彼らと話していると、たいていの人は鑑別所や少年院を経験しています。小中学校ぐらいから気まぐれに学校を休んだり、盗みや暴力に抵抗がなく、自慢話としてさえするものの反省の色は全くありません。
彼らは家庭環境、地域環境が相当に劣悪な場合が大半で、本来はそうなる前に誰か大人が気が付いて更生させるというか、救出する必要があったのだと思います。