2000年代初頭に新宿の「思い出横丁」に中国人や東南アジア系のオーナーの店が増えた時期がありました。
地元の人たちは口々に彼らについて窃盗団をやって稼いだお金で店を出しているとか、そこを拠点に別の仕事をしているとか、店の従業員として働いている女性の留学生は店が終わると売春クラブで働いているんだとか言っていました。
なんの根拠もありませんでしたし、実際そんな人たちではありませんでした。
当時の思い出横丁は高齢化で店が続けられなくなったり、採算が合わなくなって店をたたむ人が増えました。
同時に思い出横丁は「しょんべん横丁」から脱出し、少しずつ大学生やサラリーマン、外国人観光客が面白がって集まる場所になっていました。
後の赤羽の立ち飲み屋、吉祥寺のハモニカ横丁、有楽町ガード下など赤ちょうちんムーブメントの先駆けとなっていました。
インターネットも急成長中で口コミの広がり方も早く、思い出横丁は出店すればほとんど成功が約束されていました。
空き店舗ができたものの日本人は借り手がつかなく目ざとい外国人が出資したのです。
ごく普通の投資、飲食店経営にもかかわらずアジアのマフィアが思い出横丁を荒らしているといううわさが蔓延していました。
当時は中国人や韓国人はそこまで身近でなく彼らのラフな服装や大声でしゃべる雰囲気に少し怖さを覚えた人が多かったのかも知れませんが、広い意味では人種差別と偏見によるものでした。
現在もその傾向はんくなっていません。
特に最近増えている中東系や黒人に関してはさらに偏見が強い気がします。街中で見かけるのに話す機会がない彼らは圧倒的に単一民族社会の長い日本人から見ると「異物」なのかもしれませんが、平成も終わろうとしているのにその感覚はちょっと時代遅れではないでしょうか。
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