ヤクザになる理由
初期不良 反社会的ではなく非社会的

暴力団ヤクザになってしまう理由を考察します。

世の中には社会になじめない人、不良少年時代を過ごした人がたくさんいますが、正式にヤクザの組員になるというのはまた少し段階が違うような気がします。
ヤクザになるというのは生涯不良として生きていく、犯罪を生業にして生きていくという決意を持つことです。

昭和の初期の時代、ヤクザ組織は遊び人やプー太郎を寄せ集めていました。

そのころは今のように暴力団対策法や暴力団排除条例もなく、ヤクザ組織も現代のようにピラミッド型になっておらず組織的にも地域のバカ息子をあずかる団体みたいな面がありました。

社会的に「ヤクザもん」とか「チンピラ」などと呼ばれる構成員も多く、夜の街で遊んでいたら組事務所に出入りするようになって組員になったという人がいました。

しかし、昨今、暴力団ヤクザに正式に加盟し、それを継続しているという人は少し趣が違います。

不良少年グループの中でもヤクザになる人物というのは良くも悪くも「頭抜けて」います。
地域環境、家庭環境、生まれ持った基質的な部分に何か強い特徴がある人が多くいます。

 

■基質的な問題■

トランプにジョーカーが含まれているように、反社会的な性格、基質を持った人というのは一定数います。その中には表立って社会的には成功しながらも人に対する思いやりがない人や、ルール違反をしてでも経済的利益を追求する人などがいますが、本当にただ粗暴で社会になじめない人というのもいます。

暴力団ヤクザの中にも「正直言ってヤクザ以外の仕事には就けない」ような人が結構いて、そういう人は「ヤクザの神様が作った」などと言われています。



たとえばケンカやリンチを楽しむとか、指詰めが好きだとかいう暴力性が強い人もいれば、慢性的にウソをついて人をだます人などがいます。好みの女性がいれば拉致して暴行したり、ほしいものがあれば盗んだり、脅しあげたりすればいいという考えの人もいます。

 

 

■「反社」ではなく「非社」として扱うべき人■

ヤクザの集団を見ていると気まぐれに人を殴ったり、怒鳴りつけたりする人がいます。ある人は公然と子分を顔が変わるまで殴りつけたり、人が大勢いる喫茶店で携帯電話で「ぶっ殺すぞ」とありったけの大声を出したりします。相手の気持ちとか周囲の空気のようなものを読めていないようです。

ヤクザという暴力と脅しが支配する世界では彼らは「怖い人」とか「強い人」として見られ、出世することもあります。

残念ながら彼らの多くは幼いころからその片鱗を見せています。暴力団ヤクザの中には少年院に入所経験がある者が多く、なかなか更生しません。少年院の中や警察でも「見込みがない」という少年がいるのは実際のところです。

しかし彼らの中にはことさらに社会に対して憎悪を抱いているとか、アナーキーな発想を持っている「反社会的」な人ではないように見受けられます。

生まれながらの性格や生い立ちに特殊性があり、社会の一般的感覚と著しく乖離していて、社会になじめない「非社会的」な人なのです。

パーソナリティ障害や軽度の知的障害があるのではないかという人もいます。彼らには行政や医療の手助けが必要ではないかと思います。