😻ヤクザの親分子分の関係😻

「親父のためなら死ねるなんて言うやつの中に
 たまに本気で死のうとするやつがおるんで、
 みんなでとめたもんです」

-関西暴力団元幹部F

「親分を本当の父親のように慕っています。親分に言われればすぐにカチコミます」などという組員が多くいます。しかし、よく考えると実の父親は息子に人を殺してこいなんて言わないことに気付きます。

私が会ってきた感覚だとほとんどのヤクザが自分の親分に対して程度の差はあれ、尊敬や憧れを持っています。大半は不良の憧れの延長で学校の番長や暴走族の総長に対する憧れと同じで「オレも親分みたいになってハブリよく暮らしてエラそうにしたいなあ」という目標というか、ヤクザの成功のモデルケースとして親分を見ています。

しかし、本気で親分を愛し純粋に親分のために頑張ろうという献身的な気持ちを持っている組員たちもいます。度が過ぎるて完全に心酔しきっている組員は宗教での教祖、同性愛の恋愛感情に近いような感情を持っているそうです。



元幹部Fは自衛隊上がりの若い衆Aを可愛がっていました。どこに行くにも一緒、休みをやっても事務所をウロウロし、Fに会えたらニコニコしていて「かわいい子分だな」なんて思っていたそうです。ある日、夜の街で別の団体とイザコザになり、先方のチンピラからFをバカにするような言動がありました。Fは酔った勢いで「あの野郎ぶっ殺してこい」とAに言いましたが、酔っぱらっていてそのまま寝てしまいました。

翌日、先方の幹部から「昨日はうちの若いのがすいませんでしたね」などというわびの電話が入り、難なく手打ちになったのでAに連絡をすると「親分、お世話になりました」などと涙声が聞こえてきます。「これから爆弾もって突っ込んできます」というので、あわててほかの若い衆を走らせたところ相手の事務所の近くでリュックサックに手りゅう弾を詰め込んだAを確保しました。Aは特攻隊気分で目が血走っていて「親父は俺の日の丸なんです」などと言って遺書までしたためていました。

FはAに対する信頼を厚くした半面、
あぶねえ野郎だなあと冷や汗をかきました。