「茶を飲ませる度胸もねえデコ助(警察)なんかと
信頼関係なんか持てないですよ」
-関東 若手組員
◆裏取引はあるのか
警察とヤクザは裏でつながっているんではないか。警察はヤクザからカネをもらって犯罪を見逃しているのではないか。警察とヤクザの両方に聞きましたが、ほとんどないと思います。
ある暴力団担当刑事曰く
「捜査は数十人単位でやるし、上層部の決済がすべてなのでマル暴デカ1人が捜査を止めようとして止まるものではない。ヤクザからカネをもらっても便宜の図りようがない」と話していました。
しかし、逮捕のタイミングを教えることはできるのでは?と聞くと「そもそもヤクザには出頭を命じるケースが多い。薬物・銃器、オレオレ詐欺などこれから証拠を押さえないといけない事件は証拠を隠されないよういきなり事務所や自宅を急襲するが、恐喝事件や条例違反など、すでに証拠がそろっている事件では呼び出して落ち着いて話を聞く。ヘタに組事務所に突入したりすると応援を呼ばれたり逃げられたりと手間が増える」
◆事務所のガサ(家宅捜索)は便宜あり◆
「今どき組事務所を捜索して覚せい剤やけん銃が出ることはない。私たちも『見世物ガサ』=『見世ガサ』と呼んでいて、組への圧力とマスコミへのパフォーマンスでやってるのが実態。そもそも相手も一般的に組員が捕まったら2、3日以内に捜索が入ることは分かってるから構えている。無駄な恥をかかせてヘソを曲げさせないように『ちょっと明日は早起きしとけよ』なんてぐらいの便宜はある」
よく情報漏洩で警察官が捕まっているが。
「容疑のほとんどが地方公務員法の守秘義務違反でしょう。カネが目的なら贈収賄になる。つまりカネが目的ではなく情報交換のギリギリのラインで一線を超えたケースがほとんど。うちの後輩でも本当によく情報を取ってくる奴がいたが、デカい事件の情報がほしくて組長に捜査情報を流して捕まった。バレなければ大手柄、バレたら地獄行き」
◆一方のヤクザは◆
「昔は腹を割って話せる刑事がいた。警察は捜査のキモになる話、俺たちは組のシノギとか大事な部分はお互い言えないけど、できる範囲で情報流しあってさ。逮捕された後でもこの件については見逃してやるからあの件については認めてくれよなんてね。留置所や取調室でタバコやジュースを飲ませてくれて『こんなことバレたらオレもクビだよ』なんて言われるとヤクザはバカだか『このデカはいい男だな』なんてオトコギ感じて仲良くなったりさ」
そう話しながらもため息がもれます。
「ところが最近のマル暴は何も融通が利かない。こっちがいろいろ教えて、聞き返しても『守秘義務がある』とか言う。パクられたときも冷たい茶の一杯でも飲ませてくれよと言っても『規則だから駄目だ』と熱湯消毒した白湯を出しやがる。それなのに俺達には容疑を認めろだの親分の指示があったんだろうだの聞きだそうとしてくる。こっちは人生賭けて取り調べの相手してんのに、茶一杯も飲ませる度胸もない奴なんかに何も話せないよ。で、結局没交渉で完全黙秘したら不起訴で俺たちの勝ちだよ」
ヤクザは使いようといってはいけないですが、ヤクザの情報は使いようだと思うのでヤクザの心の隙間に入り込んで落とせるようなお巡りさんがいてもいいような気がします。