👥ヤクザの葬式👥


「昔はでっかいお寺でやったもんですが、
いまじゃどこでもできませんね」

―関東 組員

◆「組葬」は×「家族葬」は○◆
暴力団対策法、暴力団排除条例で現在、一般の寺や神社で組織を挙げての「組葬」はできません。

最近のヤクザは通夜・告別式・火葬まではこじんまりと「家族葬」で行います。ヤクザ個人の葬式はどこのお寺や葬儀屋でも特に問題なくできます。家族葬といっても本当に肉親だけでなく、ごく近い一家の組員が数人程度、参列するのはギリギリOKです。自称「飛び込み」で葬儀に参加する親しい関係だった他団体の組員などがいますが、警察も葬儀場に警戒に来るため、あまりにヤクザだらけにならないように気を使います。

また、昔の親分ですでに引退している人などは本当に肉親や友人だけで行います。
大切なお父さんの最期をヤクザの葬式にしたくないという遺族のホンネも見え隠れします。



◆「組葬」は提灯の「苗字」が違う◆
家族葬で一般的な葬儀が終わると、「組葬」が行われます。「組葬」は故人を個人的に偲ぶのではなく、組織の長としての死を悼むものです。「山田組」の「田中組長」が死んでも葬儀場には「山田家式場」と書かれ、提灯が並びます。組織によってはお骨も「山田家代々の墓」に入れられます。すでに本当の葬儀や火葬は終わっているので「送る会」とか「偲ぶ会」とか「お別れ会」などと呼ばれます。
組葬は組織を挙げての葬式で、参列者もヤクザしかいません。組葬はただ故人を弔うだけでなく、組織の威勢をアピールし結束を強める場でヤクザにとっては非常に大切な場です。特にほかの団体に「うちのオヤジはすごかったんだぞ!」と見せつける場面です。
極道丸出しの大量の若い衆が組の提灯を持って他団体の親分にオス!オス!と大声を張り上げて迎えます。


祭壇にはどこで引き延ばしたのか分からないくらい大きな遺影が飾られ「○○組XX男」「△△一家@@助」など書かれた花がならびまさに極道の花道となります。

とはいえ、昔のように街のど真ん中の寺で、政治家や芸能人、起業家などが出席して、大輪の花が送られることはありません。生前「世話になった」はずのカタギの皆様は誰も参列しません。

ひっそりヤクザの、ヤクザによる、ヤクザだけの葬儀が行われています。