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家賃が安い謎のビル
「みかじめ料は払わなくていい」と言いましたが、みかじめ料を払っているつもりなんか全くなかったのに、実は徴収されているというケースがあります。
ある歌舞伎町の雑居ビルは、他のビルに比べ賃料が安いと評判でした。キャバクラやスナックだけでなく、普通の和食料理店やバーも入っていて、いかがわしいビルというわけではありませんでした。しかし、このビルのテナント契約には別の会社から氷を仕入れる契約が必須という変わった条件がありました。家賃は相場より安いのですが、氷代を入れるとちょっと高いような・・・。
居抜きで飲食店ばかりのビルなので、どこの店でも氷は毎日、絶対に必要です。製氷機を仕入れたり、冷凍庫をずっと回しておくのは設備投資や電気代もかかります。必要な分だけ購入できるというのは店にとっても悪い話ではありませんでした。氷は少し割高でしたが、実際、大型の専門機械で作っているので透明度も高く、おいしいものでした。もともと不動産の家賃は敷金、礼金、共益費、修繕費、組合費など不透明な特約・料金がつきものです。
みんな「まあ、いいか」と契約していました。
それがみかじめ料だとは知らずに。
氷を卸している会社はヤクザのフロント企業でした。二束三文の氷の押し売りを賃貸契約に紛れ込ませて大きな利益を上げていました。ビル会社は実際はフロント企業から氷代の一部を現金手渡しのキックバックでもらっていました。本業の家賃収入を抑えて税金を少なくしながら、裏で現金をもらっていました。
ビル会社、ヤクザ、飲食店 すべてが得をするシステムができていました。飲食店は自分がみかじめ料を払っていることを知りませんでした。
これはやや複雑な例ですが、もっとシンプルにビルのオーナーが家賃の一部をヤクザに払っているケースやカラの修繕工事を発注してみかじめ料を払っていることなどがあります。
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