弁護士も知らない!職質職務質問対応
法的根拠・令状・任意・強制

「ちょっとお時間いいですか」

警察官からの突然のナンパ。

職務質問=職質=ショクシツ。

お問い合わせがあり、書かせていただきます。

たいていは夜に行われ、こん「ばん」はと声を「かけ」ることから業界では「バンカケ」とも呼ばれます。暴力団ヤクザはよく「さっきそこでバンかけられちゃったよ」などと言います。

突然、大事な時間を奪われて、名前や住所を根掘り葉掘り聞かれ、あまつさえカバンやポケットの中身を見せろとまで言われる職質=職務質問。

問題がなければ「行ってよし」で終わる「警察そんなに偉いんかい」と言いたくなる迷惑行為ともいえる警察の仕事。

歌舞伎町では毎日、警察に取り込まれた人が「任意だろ」「令状持ってこい」と叫んでいます。

この記事では気になる「法的根拠」についてです。

法的根拠はある

警察官職務執行法(警職法)2条の1項

一、警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。

基準がほとんど「警官のカン」にしか読み取れない非常にゆるい法律ですが、現場での実務的な運用に警察の裁量、幅を持たせるために上手に作られたとみられる法文です。

とはいえ、本当に主観だけでは声をかけられなく、疑うべき「客観性」が必要とされています。

異常な挙動、犯罪をしそう、してそうなんていう人はどういう風に判断されているのでしょうか。

たとえばこんなことです。

警察官を見てあわてて逃げ出した
薬物をやっているような目つきや動きをしていた
刃物や武器を持っているような気配があった
大声を出して暴れている
服装がヤクザもしくはド不良 刺青がすごい
真夜中にウロウロ

とはいえ、「薬物をやっていそう」とか「泥棒をしていそう」などという絶対的に客観的な基準なんてないだろうと思います。

ところが、職質をかける「疑うに足る理由」の基準は世間一般の人の感覚に準拠することは前提とするものの、「警察官を長年続けきた経験から得られる独自の視点」による判断が認められています。

難しい法律論を抜きにするとやっぱり「警察のカンで怪しいと思ったらバンかけていい」ということになるかと思います。

 

ちょっと署まで来てください

職質を受けた人がパトカーに乗せられて警察署や交番に連れていかれることがあります。これは暴力団とか明らかにクスリをやっているとか、コートの下が素っ裸とか、バールと覆面と多額の現金を持っているとか相当に犯罪性の疑いが強い人だけですが。

そうはいっても「署までご同行願います」は任意ではないのか、法的根拠はあるのかということになります。

結論、あるけどない?みたいなことです。

現場でやや相反する法律が存在しています。

 

刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。

といいつつも

職質については

その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。

正直、法解釈が明文化されているとはいえかなり恣意的な運用が可能だし、ダブルスタンダードに近いような法文だと感じます。とはいえ警察官は法律に従えばいい仕事なので、

「ここだと他の人の通行のご迷惑になるんで」

「落ち着いたところでお話を聞かせてください」

結局、グイグイ連れていかれるのが実際です。

 

どうすればいいのか

結論、職質に当たってしまったが最後、法律上の争いを展開しても応援を呼ばれてどんどん警察が増えて、どんどん時間がかかるだけです。少し腹立たしいかもしれませんが、素直に応じて短時間で済ませるのが一番効率的な時間の使い方だと思います。

 

ほとんどの国の警察はもっと乱暴ですよ。