📠ヤクザの「破門」とは📠

「最近の破門状はファックスや圧着はがき(裏面がシールのように張り付いているハガキ。電気代などの督促状で利用されている受取人がめくるまで内容が読めないもの)が多いです。そうしないと郵便局員が見つけた場合、返送されてしまいます。急ぎの時はとりあえず写メでラインで回りますね」

-関東の若手組員

ヤクザが不祥事をすると「破門」一般の会社でいう「懲戒解雇」処分を受けます。理由は組のカネの使いこみ、親分への失礼千番な態度、ほかの組織にいらぬ抗争を仕掛けたetc…

大幹部の場合は懲罰委員会などで審議などがありますが、普通の組員には幹部の気分で出される処分です。



◆組長のイキオイで出される口頭破門◆
ちょっとした不手際があるとすぐに親分から「お前は破門や!」などと怒鳴られます。これは「口頭破門」などと呼ばれています。大体は「頭を冷やせ」と同義で「謹慎」に近いです。普通の会社でいうところの「出勤停止」で事務所の出入りや盛り場への出入りを自粛します。
大体はしばらくすると別の幹部が「親分、あいつも反省してますし、そろそろ許してやってください」ととりなしてくれて破門が解けるケースがほとんどです。

◆書面の破門は一大事◆
「破門状」という正式な書面が出ると、本当の破門になります。一般の会社の「解雇通知」です。破門状が解雇通知と違うのは、社内向けだけでなくほかの団体にも発送されるところです。対外的に「この人は不祥事があったので解雇しました」と宣言されることになり、そう簡単に撤回できなくなります。
破門状には最後に「客分・縁組・交友・商談・拾上げなどは固くお断りさせていただきます」などと記載されています。要するに「うちをクビにしたやつとは付き合わないでくださいね」ということで、破門された人は基本的にヤクザとしては生きられなくなります。

破門状が普通の会社の解雇通知と違うところは、組織内での処分の周知というよりも他団体に向けて書かれているところです。特に他団体に無用の抗争を仕掛けたり、けがをさせたりした者についての処分が端的で「先日、ご迷惑をかけた人間はちゃんとクビにしました」という社外向けの謝罪・ケジメを示すものになります。また、組内での不祥事で処分した場合は「うちの組は厳しいので行儀の悪い奴はきっちりシメてます」というアピールになります。

破門状の体裁など詳しいことは後述します。